人生100年時代を支える健口
(先日行われたフォーラムの天野先生のお話)人間の寿命は昔と比較すれば格段に延びていることは周知の事実であります。アメリカ・カルフォルニア大学とドイツ・ブランク研究所の報告では、2007年生まれの日本人の平均寿命は107歳(欧米の104歳を抜きトップ)。今までは老後といえば65歳以上でしたが、これからはマルチステージ(65歳~90歳)を経て90歳以上を指す言葉になるかも知れません。では、そんな人生100年、生涯現役を支えるものは”健口”です。つまり健口は命を支えるとおっしゃっています。内閣府の「一億総活躍国民会議」でも、”食べることは生きること”と掲げております。つまり美味しく楽しく、お口から栄養を摂取することで正常なお口の機能を保ち、それが健康長寿につながります。しかし、高齢者になるとやがて虚弱(フレイル)への下り坂に陥ります。このフレイルの原因は、筋肉減少症(サルコペニア)です。では筋肉の減少を抑えて増やす栄養素とはなんでしょう?それは、タンパク質と言われています。つまり、粗食になりがちで、つい見過ごされがちな高齢者の栄養失調には、肉・魚をしっかり取らなければならないというのです。
また、う蝕や歯周炎も全身疾患と大きく関わっております。ここ最近言われているように思えますが、実はかなり昔から認識されていたようで、昭和の初期には、虫歯予防デーのポスター掲示に、「歯が悪いと全身に(イラストで虫歯を取り囲むように腎臓、心臓、肺、脳、胃、腸、リュウマチ、瘰癧が描かれています)故障を起します」とあります。特に歯周炎は100以上の全身疾患と関係するとも言われたいます。つまりこれから長寿に向けて、う蝕・歯周炎の発症を防ぎ健口と健康を守りましょうとのことです。