電子タバコ使用者はう蝕リスクが高い
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の調査によると、アメリカ国内において910万人の成人と、200万人にのぼる10代の若者が電子タバコを使用している。
これまでの研究で、電子タバコの使用による肺疾患や歯周病への影響が示されてきたが、う蝕との関連性については十分に明らかにされていなかった。
そこでタフツ大学病院の歯科を受診した16歳以上の患者13,000人以上のデータを分析した。
その結果、電子タバコを使用していた患者の約79%は、電子タバコを使用していなかった患者の約60%と比較して、う蝕リスクが高いことが判明した。
他の研究機関でこれまでに行われた研究から、電子タバコの使用がう蝕リスクを高める原因の一つとして、電子タバコのリキッドが糖分を含み粘性をもつことが挙げられている。
具体的には、リキッドをエアロゾル化して口から吸い込むと歯に付着し、口腔内のマイクロバイオームを変化させ、結果的にう蝕原因菌を増やすことが示唆されている。
また、電子タバコに起因するう蝕が前歯などで見られることから、電子タバコは通常発生しない領域におけるう蝕をもたらしうることが示されている。
日本の電子タバコ使用者はアメリカほど多くはないと思われるものの、若年者における電子タバコの使用は国内外問わず問題となっている。
電子タバコが口腔にもたらす影響と取るべき対策について、社会に正しい情報が示され、適切に理解されることを願う。