歯が0〜9本で入れ歯やブリッジを使用していない人は、6年後に社会的に孤立する可能性が79%高かった
日本では、高齢者の社会的孤立が大きな問題となっています。しかし、口腔の健康と社会的孤立の長期的な関連はまだ明らかになっていません。本研究では、日本老年学的評価研究で収集したデータを用いて、6 年間の追跡調査後の残った歯の数および入れ歯やブリッジなどの歯科治療用装置の使用と社会的孤立状態との関連性を検討しました。その結果、歯が20本以上ある人に比べ、歯が10~19本の人と歯が0~9本の人は6年後のフォローアップで社会的孤立状態になる可能性がそれぞれ13%、36%高いことが分かりました。また、歯科治療用装置を使用していない人と比較して、使用している人は社会的に孤立する可能性が10%低いことが分かりました。これらの2つの口腔衛生指標を合わせると、20本以上の歯がある人と比較し、歯が0~9本しかなく歯科治療用装置も未使用の人は社会的に孤立する可能性が79%高く、歯が0~9本で歯科治療用装置を使用している人は社会的に孤立する可能性が23%高いことが分かりました。残った歯の保存と歯科治療用装置の提供は、65歳以上の高齢者の社会的孤立の負担を軽減する可能性があり重要であると考えられます。