唾液に漏れ出た血糖が糖尿病患者のむし歯の原因に!
高血糖状態の糖尿病の患者さんのなかには血液からは、尿にだけでなく唾液にも糖が漏れ出すことが知られています。
唾液の場合は口腔内に糖が出たのち、すみやかに口腔細菌により消費・改変されます。
今回、大阪大学の研究グループは、口腔細菌の影響を受ける前の分泌直後の腺唾液を、唾液腺開口部から直接採取し解析を行う手法を確立しました。その結果、血液から唾液への糖の移行と、それがむし歯と関連することを明らかにしました。さらに、血液・唾液間で糖の移行が大きいほど、歯垢中の細菌バランスが変化し、むし歯菌が増加して酸を産生し、むし歯のリスクが高まることを発見しました。
また、糖尿病患者を対象にした血糖管理によって、この唾液中の糖分が減少すると、善玉菌が増加して口腔環境が改善されることも確認されました。
これらの結果は、血糖管理がむし歯予防にも極めて重要であることを示しており、今後は血糖管理が歯周病だけでなく、むし歯予防にも欠かせないことを踏まえ、医科歯科連携のさらなる発展が期待されます。
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