歯周炎による炎症は老化を促進して各種臓器の障害を招く
歯周炎は、歯周病が進行した状態を指し、これまで各臓器に悪影響を及ぼすことが報告されて いました。しかし、認知機能の低下が口腔内の衛生維持を困難にし、結果として歯周炎を招くのか、 あるいは口腔環境の悪化が直接的に認知機能の低下を引き起こすのかについては、明確に解明 されていませんでした。また、歯周炎のような軽度の炎症が長期にわたる場合、どの臓器が優先 的に影響を受けやすいのかも不明でした。 藤田医大、慶大、東大の共同研究では、歯周炎に罹ったマウスを用いて、認知機能の悪化、大腿骨の骨密度低下、特異的な筋力低下が生じることを明らかにしました。特に骨密度については、歯周炎が軽度で罹患 期間が短くても低下が認められ、歯周炎を治療しただけでは回復せず、積極的な骨密度回復のた めの治療が必要であることが判明しました。 この研究により、歯周炎が各臓器のフレイルを招くエビデンスが得られ、特に高齢者診療におい ては歯科診療との緊密な連携が重要であることが明らかになりました。
2025年02月06日 04:19