魚の高頻度摂取で高齢者のプレフレイル(虚弱)減
ノルウェー・University of OsloのDina Moxness Konglevoll氏らは、ノルウェーのトロムソ研究の参加者を対象に、魚摂取とプレフレイルの長期的な関連を、前向きコホート研究により検討。その結果、魚摂取頻度が高いこと、および長期にわたり一貫して頻繁に魚を摂取することはプレフレイルのリスク低下と関連することが明らかなった。
トロムソ研究は、ノルウェー北部トロムソ市の住民を対象に1974~2016年に実施された調査から成る人口ベースの大規模研究。
フレイルと診断されていない平均年齢65歳の4,350人とした。脂肪の少ない魚(タラなど)、脂肪の多い魚(サケ、マス、サバ、ニシンなど)、これらを合計した魚全体の摂取頻度を月に0〜3回(低頻度群)、週に1〜3回(中頻度群)、週に4回以上(高頻度群)に分けた。
今回の研究では、脂肪の少ない魚の摂取、脂肪の多い魚の摂取、魚総摂取の高頻度群にプレフレイルリスクは有意に低かった(脂肪の少ない魚:オッズ比0.72、95%CI 0.53~0.97、P<0.001、脂肪の多い魚:同0.63、0.44~0.92、P=0.04、魚総摂取:同0.68、0.52~0.90、P<0.001)。
さらに、長期にわたる魚総摂取量とプレフレイルリスクとの関連を評価。21年間(1994~2016年)の追跡期間中に魚を一貫して高頻度に摂取した群(高、高、高頻度または高、高、中頻度の組合せ)では、プレフレイルリスクが低かった(オッズ比0.59、95%CI 0.38~0.91)。
これらの結果を踏まえ、Konglevoll氏らは「健康的な食事において魚の摂取は重要な役割を果たすと言え、健康的に年を重ねるには積極的な魚摂取を勧めるべきである」と強調している。