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「昼食にコンビニ弁当」の意外な健康効果…医師・和田秀樹「長寿の人に共通する食生活の特徴」の意見

長寿の人の食習慣とはどのようなものか。医師の和田秀樹さんは「60代半ば以降、健康を維持するための食生活の基本は、肉でも魚でも野菜でも偏らないで何でも食べることだ。食材のバラエティ豊富なコンビニ弁当は考えようによっては『長寿食』になる」という――。※本稿は、和田秀樹『70代からの元気力』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「フランス人だけが心臓病が少ない」という謎

「フレンチ・パラドックス」という言葉を、ご存じの方も多いと思います。

いまから30年ほど前、1990年代前半に流行った言葉です。

「フレンチ・パラドックス」は、そのまま訳せば「フランス人の逆説・背理・謎」といったような意味になります。

では、「フレンチ・パラドックス」とは、どういう逆説なのでしょうか?

フランス人は、肉やバターの消費量が、世界でもトップレベルで多い国民です。それだけ、アメリカ人、ドイツ人、イギリス人に比べて、カロリーが高い食生活をしていることになります。

カロリーが高い食生活を続けていると、心筋梗塞のような心臓病のリスクも、それだけ高くなります。

ただ、ここに「パラドックス=逆説」が生じたのです。

フランス人の心臓病の死亡率は、アメリカ人、ドイツ人、イギリス人に比べて、はるかに低いというデータがあるのです。心臓病のリスクが高い食事をしているのに、実際のリスクは減っている。

この逆説が「フレンチ・パラドックス」です。

ただ、その後、フランスだけでなく、フランスの近隣諸国であるイタリア、スペイン、ポルトガルといった国でも、心筋梗塞の死亡率がほかのヨーロッパ諸国に比べてはるかに低く、半分以下であることがわかってきました。

欧州より心筋梗塞が少ない日本と韓国

では、これらの国は、ほかのヨーロッパ諸国とでは「何」が違うのか?

そこで仮説として出されたのが、「赤ワインの消費量」だったのです。

たしかに、ここで挙げた国々の人々は、よく赤ワインを飲みます。ドイツ人は、赤ワインより、ビールや白ワインをよく飲むイメージがあります。アメリカ人やイギリス人も、当時はビールやウィスキーのほうを好んでいたはずです。

そして、この「フレンチ・パラドックス」が、アメリカのメディアで取り上げられて話題となり、アメリカだけでなく、日本を含めて世界中で赤ワインの人気が高まることになったのです。

赤ワインに含まれる「ポリフェノール」が健康にいいと言われ出したのも、この頃のことです。

ただ、その後、さらに意外な事実が判明しました。

OECD(経済協力開発機構)に加盟する国を調べてみると、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルよりも、もっと心筋梗塞の少ない国があったのです。

それが日本と韓国なのです。

長寿食の法則「偏らない。何でも食べる」

日本人と韓国人は、国際的に見て、なぜ心筋梗塞が少ないのか――。

これは「フレンチ・パラドックス」の理屈では説明できません。

日本にしても、韓国にしても、最近では、赤ワインを飲むこともかなり多くはなっていますが、その消費量はフランスやイタリアといったラテン諸国には及びもつかないからです。

つまり、日本と韓国の心筋梗塞について言えば、「赤ワインを飲む・飲まない」だけでは説明できないのです。

そこで注目されたのが、食生活でした。

と言うのも、日本や韓国、そしてフランスやイタリアといったラテン諸国の食生活には、意外にも共通項があったのです。

それは肉だけでなく、魚をよく食べる食習慣です。

アメリカ、ドイツ、イギリスの食生活では、肉はよく食べますが、魚はそれほど食べません。日本人は言うまでもなく、韓国人も魚はよく食べます。

韓国人の食生活というと「焼肉」のイメージがありますが、あれはどちらかといえば北の北朝鮮の料理です。

南の韓国では、プサンのように日常的に魚を食べる習慣があるところが少なくありません。フランスやポルトガルでも、魚料理は広く食べられています。

それ以外のラテン諸国でも同様です。地中海料理と言えば、カルパッチョなどの魚料理を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

そもそもフレンチやイタリアンのコース料理は、メインディッシュが二種類あって、肉と魚の両方を食べるようになっています。

つまり、「フレンチ・パラドックス」に端を発した問題は、きわめて平凡な答えに辿りついたのです。

それは、健康を維持するための食生活の基本は、何でも食べること。

肉でも魚でも野菜でも、それだけに偏るのでなく、バランスよく食べること。

それこそが、長寿の人の食生活(長寿食)に共通する「一つの法則」なのです。

意識高い70代を蝕む「フードファディズム」という病

最近の日本人の食生活は、残念ながら、「長寿食」から離れつつあるようです。

と言うのも、いろいろな食材、食品をバランスよく食べるのではなく、特定の食材、食品を偏って食べる人が増えている傾向があるのです。

「フードファディズム」という言葉をご存じでしょうか?

いま、日本に限らず、先進国の食生活は、健康志向が高いあまり、この「フードファディズム」に陥りやすいのです。

「フード」とはもちろん「食物・食品」の意味。「ファディズム」とは聞きなれない言葉ですが、「偏愛」とか「熱狂」といった意味で、「流行かぶれ」というニュアンスもあります。

つまり、「偏愛」「熱狂」「流行かぶれ」が、「食物・食品」に向けられたときに生まれるのが「フードファディズム」です。

たとえば、「健康にいい」とか「血圧を下げる効果がある」と聞けば、その食品を重点的に食べ続けるようなことを言います。

あるいは、「納豆=免疫力を高める」という情報にこだわりすぎて、「私は納豆さえ食べていれば調子がいい」と勝手に思い込んでいる人がいます。これも「フードファディズム」に陥っていると言えます。

もちろんその逆に、「この食べ物は体に悪い」「血圧が高くなる」と聞けば、その食品を一切口にしないというのも「フードファディズム」でしょう。

先述の「百寿者」の項目でご紹介した、医学博士の柴田博先生は長年、「長寿の人は何を食べてきたのか」というテーマを研究しつづけた方です。「百寿者」の権威とも言える方です。

その柴田先生が、「フードファディズム」に警鐘を鳴らしているのです。

「長い風雪に耐えた食品」に、有害なものは1つもない

食べ物にはそれぞれ、さまざまな機能があります。

1つの食べ物が、すべての機能を発揮することはあり得ません。だからこそ「偏らない。何でも食べる」食生活が大事になってくるのです。

ですから、特定の食材、食品を偏愛、忌避することは、私たちの体にとって、何のプラスにもなりません。

実際、柴田先生も、「長い風雪に耐えて食べ続けられてきたものに、有害なものは1つもありません」とはっきり書いています。

「アミノ酸構成からみると、栄養学的には無用に見えるクラゲでさえ、ウニと和えることによって酒飲みにとっては極上のつまみになるのです」――柴田先生のこのような考え方に、私も共感します。

いくら体にいいとか、何かに効果があるといっても、同じものばかりを食べていればどうしても栄養が偏ります。

また、栄養学的には無意味でも、あるいは害があると喧伝されていても、その食べ物にしか含まれていない微量物質もあります。偏食をすることで、貴重な微量物質を摂取する機会を減らすことになるのです。

しかも年齢を重ねるほどに、たとえばセレンとか亜鉛とか、さまざまな微量物質が不足してきます。それが結果として、70代以上の心と体に意外に大きなダメージを与えることがあるのです。

60代半ば以降は、とにかく偏らないで何でも食べること。

これが老化を防ぐための「長寿食」につながるのです。

手作り弁当にない「食材のバラエティさ」に注目

コンビニ弁当も、考えようによっては「長寿食」になることもあります。

こんなことを書くと、驚かれる人も多いでしょう。

コンビニエンスストアで売っているコンビニ弁当は、食品添加物を使っているイメージが強いためか、何かと批判されることが多いからです。

また、コンビニ弁当が、手作り弁当のようにあっさりした味付けではなく、濃い味付けが多いのも気にする人は多いようです。

いずれにせよ、コンビニエンスストアの方には失礼な話かもしれませんが、ふだんコンビニ弁当を食べている人でも、「体にいい」と考えて食べている人は少数派なのではないでしょうか。

ただ、前項でご紹介した柴田先生は、コンビニ弁当について、独自の見解をお持ちです。実際、次のような面白いことを仰っています。

「家庭で作る弁当に、あれだけの材料を使えますか?」

たしかに、言われてみれば、そうです。

コンビニ弁当なら、どんな種類の弁当であれ、少しずつ、たくさんの種類の材料が使われています。たとえ、それぞれの量は少なくとも、いろいろなつけ合わせが弁当箱に収まっています。

幕の内弁当のように、おかずが多い弁当であれば、20~30種類くらいの材料は使っているのではないでしょうか。手作り弁当では、あそこまでたくさんの種類の材料を使うことなど、とてもできることではありません。

「昼食にコンビニ弁当を食べる」目からウロコの効能

もちろん、手作り弁当には、コンビニ弁当にはない長所がたくさんあります。

家族の健康を考えて、調味料を工夫したり、量を加減したりするといった、神経の細やかさは、手作り弁当ならではのものです。

また、手作り弁当特有の愛情・温もりといったものも、コンビニ弁当では再現できません。ただ、「食材のバラエティさ」という面だけは、どうしてもコンビニ弁当に軍配が上がります。

ここにこそ、コンビニ弁当が「長寿食」になる理由があるのです。

コンビニ弁当は、さまざまな材料を使っているので、微量物質の不足を補うことができるからです。

1日に三度、しかも毎日、コンビニ弁当を食べるのでしたらともかく、たまに食べるぶんには、体にいいとさえ言えます。

「偏らない。何でも食べる」――。

これこそが、長寿の人の食生活(長寿食)に共通する「一つの法則」です。その意味では、コンビニ弁当も、食べようによっては「長寿食」になり得ます。

ですから、「昼食にコンビニ弁当を食べる」ぐらいのことを罪悪視する必要はありません。コンビニ弁当に使われている、わずかな量の食品添加物を気にするのではなく、むしろ「これで不足の栄養分も足りた」と思えばいいのです。

何ごとも必要以上に「悪者扱い」するのは、いいことではありません。

2023年04月03日 06:36
親知らずの事でお困りの方は当院へお越しください。

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