チーズの力
私たちは日々の食事に多くの種類の発酵食品をうまく取り入れている。伝統的な和食の味噌や醬油に加えて、中華料理、インド料理、イタリアン、フレンチからも様々な種類の発酵食品を摂取している。このような食生活は腸内細菌叢の多様性と健康にも密接に関係していると考えられている。日本では明治期以降に作られるようになったチーズであるが、牛乳や水牛、ヒツジ、ヤギの乳を乳酸菌で発酵させ、レンネット(仔牛の第4胃から採取された酵素、近年は植物性および微生物由来)を添加して固め、残りの液体部分(ホエイ)を抜き、熟成させて出来上がる。世界には1000種類以上あると言われている。最も生産量の多いチェダーチーズやオランダ名産のゴーダチーズが知られており、その他カビを用いたカマンベールやゴルゴンゾーラもあり、微生物の連携で多様なチーズが生み出されている。チーズの栄養成分で特筆すべきは、カルシウムの貯蔵庫である。このため、高齢者の骨粗しょう症を防ぐ救世主になる。この他にも、イライラを防ぎ、血圧上昇を抑えること、食べて瘦せるダイエット効果、そして虫歯予防効果、白カビチーズの認知症予防効果などますます広がるチーズの可能性が最近の研究で明らかになってきている。
2022年08月14日 21:38