世界一の病気とは?
世界中の大学や研究機関が参加する国際的な調査が2010年に発表した約300ある病気の中で一番多い病気が、”未処置の永久歯う蝕予防”だった。ちなみに6位は歯周病、10位は未処置の乳歯う蝕、36位が歯牙喪失であった。これを受けて2021年に世界保健機関(WHO)は世界保健総会にてより良い口腔保健を達成する決議が採択された。決議に至った口腔保健の重要性のいくつかの中で、興味深かったものは、①歯科疾患の有病率は高く、そのため経済的負担も大きい、②口腔疾患の多くが、心血管疾患、糖尿病、がん、肺炎、肥満、早産など他の病気と関連すること、③学校や仕事の欠席につながり生産性を低下させる、④貧困層や社会的に不利な立場にある人に多い、など。最近の日本ではう蝕は減っていると言われているが、平成28年度の調査では成人では3人に1人は未処置う蝕を持っていてまさに世界水準の結果に。そして近年、高齢者のう蝕・歯周病の増加が大きな問題となっている。今回の決議を通して日本も予防について真剣に取り組まなければならない状況になっている。
2022年06月26日 18:27