虫歯治療の判断 その1
この度、WEBセミナーでためになるお話しをご紹介いたします。福岡県でご開業されています芳賀剛先生のご講演は、”生涯にわたり自分の歯で過ごすための歯科治療”というテーマでお話しされていました。先ず先生がおっしゃっておられたのは、歯を削る治療の繰り返しの連鎖を断ち切ることが重要とありました。歯科医師の再治療割合は65%にも及ぶと言われています。もちろん人間の行う行為ですからテクニカルエラーが全く無いとは言えませんが、保険診療の制約の中で行われる使用される材料や器具にも原因があるのも事実です。芳賀先生はこう続けます。 ”う窩”と”う蝕”は違うもの。う窩とは、歯に穴が開いてしまった状態。う蝕とは、脱灰と再石灰化の流動的なプロセス。つまり、う蝕の活動性が(+)であっても、う窩はない状態にある歯は、フッ素入り歯磨き粉使用したブラッシング指導などでう蝕活動性を(-)に環境を整えてあげることでその後、う窩の形成は抑えられる、一方で、う蝕活動が(+)のままではう蝕が形成されてしまうとのことです。また、講演の中ではう蝕の活動性の評価方法も詳しく説明されており、その部位がバイオフィルムで覆われているか、周りの歯ぐきからの出血はないか、硬さ見た目、触感など様々な点を紹介しておりました。
2022年05月05日 19:07