歯周病菌による脂肪性肝疾患の悪化
新潟大学医歯学総合研究科と理化学研究所の共同研究により、歯周病菌による腸内環境への悪影響が報告された。アルコール摂取によらない非アルコール性脂肪肝疾患のマウスを利用した研究で分かったことは、歯周病菌(ジンジバリス菌)を摂取させると有意に重症することが明らかになった。このメカニズムとしてジンジバリス菌は、先ずは腸内細菌に対して変化を起こす。腸管のバリア機能を低下させて、内毒素が上がり、その結果、肝機能悪影響を及ぼすとのこと。非アルコール性脂肪性肝疾患はほとんど進行しないものと、炎症・線維化が著しく肝硬変や肝臓がんになり易いものと2種類あり、後者は肝臓関連死が有意に高く、心疾患によって死亡する可能性が高くなると報告されている。今回の報告を受けて、お口の健康維持は腸内環境を通じて全身の健康に深く関わっていると言える。
2022年03月27日 08:56