歯周病菌が血管の修復を妨げる
東北大学歯学研究科の多田先生らの研究グループは歯周病菌が血管の修復を妨げる仕組みを発見した。健康な歯ぐきでは、血管に損傷が起こると、PAI-1"というタンパク質が働いて血管内皮細胞が破れた箇所を埋めるように移動して血管が修復される。一方、歯周病に罹った歯ぐきでは、歯周病菌(ジンジバリス菌)から産出する酵素が、PAI-1を分解してしまうことで血管内皮細胞による血管の修復が遅れてしまうとのこと。また、遅れるだけではなく、歯周ポケットの出血が続いて、出血が大好きなジンジバリス菌が増殖し、更に歯周病は悪化していく。しかし、最も恐ろしいことは、ジンジバリス菌が壊れた血管から体内に侵入していくことで、アルツハイマー病や心血管疾患などの血管の異常が関わる全身疾患をも悪化させる可能性も考えられる。
2022年03月27日 07:59