う歯の割合は8歳がピーク
令和2年度学校保健統計調査の結果を公表された。学校保健安全法により実施される健康診断の結果にもとづき、満5歳から17歳までの幼児、児童および生徒を対象に、発育状態(身長、体重)および健康状態(疾病や異常の有無)について調査が行われた。
う歯をもつ者の割合は、8歳で47.5%ともっとも高かった。一方で、12歳では29.4%ともっとも低かった。9歳から12歳にかけてう歯をもつ割合が減少するのは、乳歯から永久歯へ生えかわることが影響していると考えられる。
また、12歳前後で永久歯への生えかわってから17歳に達するまで、う歯をもつ者の割合は年齢とともに高くなる。17歳でう歯を持つ割合は45.5%を占め、8歳におけるピークと近い値であった。このことから、乳歯列期だけでなく、永久歯に生えかわった後も、う歯ができないよう継続して口腔管理を行うことの重要性がうかがえる。
幼児から高校生にいたるまで、絶えずう蝕のリスクに注意する必要があるものの、う歯の被患率自体は、令和2年度の調査における値が過去5年間で最も低い値となっている。う歯の被患率が減少傾向にあるのは、興味深い。