健康な歯がうつを予防する?
これまでに口腔と精神的健康の相互の関連が報告される。今回は医科歯科大学が、米国のBehavioral Risk Factor Surveillance System(BRFSS)のデータを分析。2006年、2008年、2010年調査のいずれかに参加した人のうち、1940〜1978年に生まれた約17万人のデータを分析した。この17万人のデータの中から、永久歯が生える年齢に相当する5〜14歳の10年間における各地域の水道水フロリデーション人口カバー割合を算出。それを水道水からのフッ化物曝露の指標とし、喪失歯数との相関を調査した。
分析の結果、5〜14歳における水道水からのフッ化物曝露は、大人になってからの残存歯数に強く関連することが明らかになった。
さらに、うつ症状を評価するPHQ-8 得点*と喪失歯数の相関を調べた結果、歯を1本失うごとに、うつ症状得点が0.146 点高くなることが判明。また、統計的に有意ではないものの、歯を1本失うごとに、中等度以上のうつ症状(PHQ-8 得点 10点以上) がある人の割合が0.81パーセント・ポイント増えることが明らかになった。
2021年06月16日 19:19