歯周病予防には
日本において30代以上の3人に2人が歯周病と言われております(厚労省が行った平成28年度歯科疾患実態調査)。原因は皆さんもよくご存じ、歯と歯ぐきの溝の間に磨き残したプラークです。なぜプラークがどのように歯周病に影響するのか考えてみます。(ブラシの届かなかったことで)溝の間に溜まったままになると、プラークの中にいる細菌が歯ぐきの中に侵入してきます。歯茎の中では、侵入して来た細菌を追い出そうと①免疫細胞を集めるため毛細血管を増生・拡張、②免疫細胞を活発にするため温度上昇、③組織そのものを分解する酵素の活性化して歯ぐきの組織、またその支えとなる歯槽骨も破壊してしまう。
こうした状況から、歯周病は細菌から身を守る生体防御反応の結果ということですね。普段からこうした自然免疫は歯ぐきのなかでは起こっているのです。少量の細菌しか存在しなければ炎症反応は起きずに済むのですが、ブラッシング不足によって適切にプラークが取り切れない場合は、より多くの細菌に対応する結果、歯ぐきや歯槽骨が必然的に破壊されてしまうのです。
歯周病は進行すると歯を失う恐ろしい病気です。適切にプラークを取り除き、いつまでも自分の歯で食事をたのしみたいものです。
2020年08月11日 12:55